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2017.06.25

生命、エネルギー、進化

生命、エネルギー、進化
ニック レーン
みすず書房


面白かった。とにかく、面白かった。図書館で借りた本なので2週間で返却しなければ行けなかったが、プラス1週間の延長で読了。

科学系の本で久しぶりに、頭をガツンと殴られた感覚。ATP,DNAそんな3文字、知ってるわい、と思っていたけど、
どうも今日の分子生物学の世界、そんな簡単ではないらしい。30年前の高校生時代に習得した知識でこの分野の理解が止まっている私にとっては、ディズニーランドに行って新しいアトラクションに乗ったような新鮮な感覚を覚えた。

まず、触媒の説明でガーン。
海底火山のようなところで、マグマから熱水が出ているところ海底熱水孔、に、嫌気性の微生物が生息することはなんとなく知っていたけど、なぜじゃ?は、知らなかった。いやいや、そんなところではなく、アルカリ熱水噴出孔には、地球上の生命が活用している触媒の成分の一つFeSが、そもそも、そこにあるでしょ。との説明。なるほど。
生命が自分の環境を内部に取り込んだのね。

次にガツーンと来たのが、呼吸鎖複合体。
ATP回路というと、数研出版の生物図解に記載されている図としてしか、知らなかった私。今や、物理的にどういうタンパク質が組み合わされてできているのかわかっているんですね。知らなかった!

そして、有性生殖と進化の関係にガツーン。
ええ、ミトコンドリアもともと原核生物の外にあった細菌が細胞に取り込まれ、共生しているものとは、高校時代、いや、大学時代に教養課程で習いましたよ。でも、性が2つ有ること、なぜ3つないのか?そのことの意味までは、考えたことがなかった。原核生物自体、有る意味、キメラ。自分自身をクローニングしていくより、ミトコンをもつ卵細胞と、持たない精子との交配により淘汰への適合がより最適化されている仕組み、お見それです。

そして、呼吸鎖複合体が、ミトコンドリア遺伝子と核遺伝子の複合体であり、変異のスピードが早いミトコンドリア遺伝子と核遺伝子の相性によって、呼吸鎖複合体の性能が大きく異なり、それが、生命体としての代謝能力(空を飛ぶ?)、生殖能力、そして死(アポトーシス)と大きく関わっている。
あっと、驚き!

自由エネルギー、プロトン勾配、化学浸透共役の3概念がこの本の通奏低音。確かに理系、中でも物理、化学、生物の各々に興味がない人には難しいかもしれない。でも、その壁を越えると、非常に面白い世界が理解できて、ワクワクする。

買って手元で何回も読み返したい本に久しぶりに出会いました。


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