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2013.07.28

見えない宇宙


見えない宇宙
ダン・フーパー (著), 柳下 貢崇 (翻訳)
日経BP社

久しぶりにワクワクしながら読み進めました。
ダークマター?、ダークエネルギー?なんですか?
単語として聞く機会が増えてきた言葉だけど、なにものなのか?なぜそんなに騒ぐのか?少しはわかってきました。


2003年2月のWMAP衛星や2013年3月のPlank衛星の観測結果のによるとダークマター、ダークエネルギーの割合は以下らしいのです。
Planck_cosmic_recipeshadow
見える物質(バリオン) 4.9%
ダークマター     26.8%
ダークエネルギー   68.3%


まず、ダークマター。
ベラ・ルービンの1950年の論文や1977年の論文、1933年にフリック・ツビッキーの論文によると、光学的に観測事実として、銀河系の回転速度と恒星分布が不一致なこと。剛体の回転運動であれば、回転速度は中心からの距離に比例する、太陽系の惑星のようなケプラーの法則にそった回転運動であれば、距離の二条に反比例する。実際の観測結果は、これらの合わせ技らしいのです。なにか光学的観測では観測できなかった物質がないと説明がつかない、というわけですな。

ダークマターの正体をみつける、ダークマター狩りもだいぶ進み(CDUSプロジェクト他)、その候補はだいたいわかってきたようです。
ニュートリノ:カミオガンデで知名度UP
MACHO :木星のような巨大惑星、白色矮星、ブラックホール
WIMP  :蝶対称性理論が予測するニュートラリーノ
アクシオン :強い相互作用のCP対称性を説明するため必要な粒子
とくに、WIMP探しに気合いが入っている昨今のようです。

一方、ダークエネルギーは、天文学の標準光源であるIa型超新星の赤方変異を詳しく調べると、宇宙は減速膨張しているのではなく加速膨張しているらしいのです。以下はカリフォルニア大学バークレー校のデータ。直線が等速膨張なので、右下が減速膨張、左上が加速膨張を示すモノ。データ、すこし左上にあがっていますよね。(S. PERLMUTTER et al,Astrophysical journal,517,565,199)

Fg1shadow
これ、なにか斥力を発生させる源がないと矛盾するわけです。これで、ダークエネルギー登場なんですね。まだまだ状況証拠レベルのようです。

ニュートンの重力理論を修正しようとしている人たちもいてMONDと唱えているひとたちもいるようです。多くの物理学者が理論的に予想し、標準理論を超え、超対象性、超重力、そして紐理論の出番を必死に事件的に捜しているみたい。宇宙の偏狭に生を受けたちっぽけな存在が身の回りの世界のみえかただけで、必死に、世界そのものを理解しようとしている姿は美しいです。2011年のノーベル物理学賞もダークエネルギーに関するものだったんですね。今後の進展がおもしろそうです。
吉田さんの本で、この夏、本格的に勉強してみるかな。


Dsc_1497shadow


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宇宙を構成するエネルギーのなかで、原子の占める割合はたった4%。残りの96%は何か分かっていません。そのうち23%を占めるとされる「ダークマター」と呼ばれるものの役割について解説している映像です。... [続きを読む]

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